2007-10-23
奇跡が起きた。まさか、キミ・ライコネンがF1レースの年間チャンピオンになるなんて。
今期最終レースとなるブラジルグランプリで、大逆転のチャンピオンになってしまった。あの不運の王様のようなキミが。このレースは、録画しておいたビデオでみたのだが、生中継で観なかったことが悔やまれる。こんなすごいレースは数十年に1度しかみられない。
今回は、3人のドライバーに年間チャンピオンの可能性がある最終レースだった。そういう激戦となるレースは数十年ぶりだと、前のレースが終わった段階から、かなり騒がれてはいた。
とはいっても、どうせポイントリーダーのハミルトンで決まりだろうし、ハミルトンがダメならアロンソだろうし、2人ともあんまり応援する気になれなかったし、キミ・ライコネンが奇跡を起こすはずもないし、録画でいいやと思っていたわけである。
ところが、レース序盤でポイントリーダーだったハミルトンが上位から脱落。アロンソも3位あたりの微妙な位置。キミ・ライコネンは2位。いきなり1ポイント差で、ホントに3人が争う展開になった。
終盤に入って、キミが先頭のマッサを抜いて1位に。このままゴールすればチャンピオンになれる(かも)、というレース展開になっていった。
この状態になってからというもの、ずっとドキドキしっぱなしだった。だって、こういう展開になると、なぜか必ずキミの車は壊れたり、タイヤがパンクしたりするんだもの。あともう少し、というところで何かが起きてしまうのがキミだ。
それに、4位〜7位あたりの2台が衝突してリタイアしただけでも、後ろを走ってるハミルトンが順位を上げてチャンピオンになる。
そもそも今期から、キミがマクラーレンからフェッラーリに移籍したら、そのフェッラーリの車が不調で、マクラーレンの車が絶好調。ずっとマクラーレンのハミルトンとアロンソがチャンピオンを争うシーズンになっていた。前のチームに残ってればね、と皆に思わせるところがキミらしい。
レース終盤、そんな風に、いつも不運がつきまとうキミが先頭で、運に恵まれたアロンソ、上昇気流のまっただ中にあるハミルトンが後ろにいる。こりゃ何か起きるぞ、と思わせる展開であった。
ところが、なぜか今回は壊れもせず、パンクもせず、衝突もせず、ちゃんとキミがゴールしちゃった。そのまま先頭で。嘘みたい。3人の中で累積ポイントが最も少なく、最もチャンピオンの可能性が低かったキミが、まさかの大逆転。
何だ、キミもやればできるんじゃん。すごく嬉しいよ。ずっと惜しいところで沈んできたキミが、ほとんど期待してなかったキミが、いつも陰気にブツブツ言ってるキミが、こんなに凄い奇跡を起こしてくれるなんて。
それに、一瞬だけ見せてくれたキミの笑顔は最高だった。レースが終わっても、ずっとヘルメットかぶったままウロチョロしてたから、キミの表情はほんの少ししか見られなかったけどね。
でも、キミが無邪気に笑えることがわかって、ずごく嬉しいよ。まあレース後の記者会見では、クールなのか陰気なのかわからない、いつものキミに戻っちゃったけどね。
おめでとう、キミ・ライコネン。
来年もハラハラさせておくれ。
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