禺画像]
(2012月1月7日:Napoli)
この写真は私が撮ったものではない。
ナポリのとあるトラットリアで、夕食をとっていたときのこと。
いつものように、私のテーブルを担当しているカメリエレに、料理の写真を撮ってもいいかと尋ね、許可をもらった。それで、堂々とテーブルの上にカメラを置き、料理が来る度に写真を撮っていた。
すると、そのカメリエレが、カメラが大好きだから、私のカメラを少し使わせてくれと言ってきた。
頼まれたその時点で、私のカメラは、すでに彼の手の中にあった。カメラをぐるぐる回転させながら、あらゆる角度からなめ回すように観察している。カメラに向けられたその視線の鋭さに圧倒され、断る気にもなれず「どうぞ」と返事した。
そのカメリエレがまた戻ってくるまで、15分以上かかった。道端で、そのカメラが"現金化"されている可能性について私が少し考え始めた頃、彼がカメラを持って戻ってきた。
そして、彼が手際よく「再生」ボタンを押し、彼が撮ってきた写真を見せてくれた。この写真はその中の一枚である。
ほかに、厨房で働いている何人ものオッサンたちが、ポーズをとっている写真が何枚かあった。
直接許可を取っていないのでアップできないけれど、これらの写真が秀逸。シャッターを切るタイミングが絶妙で、働くオッサンたちが生き生きと描写されていた。しかも、ピントがしっかりしているし、手ぶれも抑えられている。
私のようにカメラは好きだけれど雑に写真を撮っている、というわけではなく、キチンと写真をやっている。
さすがは芸術の国イタリアであった。
セコメントをする